医療法人社団 山田歯科医院 Yamada Dental Clinic神戸市西区の歯科口腔外科
山田歯科医院

お問い合わせ ご相談はこちら 078-794-4180受付時間 9:15~12:00 / 14:00~18:15 (休診:[木]・日・祝)
078-794-4180

フレイル予防で健康寿命サポート

「口腔機能の低下」(オーラルフレイル)を防ぐ
歯科口腔外科のアプローチ

日本人の平均寿命は男女とも80歳を超え、世界トップクラスです。しかし、自立した生活を営む健康状態を表す健康寿命との差が約10年間あります。
「フレイル」とは、「介護状態になる手前であるが、適切な介入によって健康に戻れる可能性がある状態」を意味します。誰でも加齢に伴って身体諸機能が低下します。お口の機能の低下は、お身体全体のフレイルの引き金になります。1本の歯の喪失が口腔機能低下症の進行を進めます。
負の連鎖のメタボリック連鎖を早期に食い止めて健康な生活を生涯維持してまいりましょう。
歯数と生存期間との関係
QOL

医療費の軽減効果 今ある歯をしっかり維持しましょう

図①に示すように、自分の歯が多く残っている者ほど、医科医療費が少ない傾向が明らかです。特に、自分の歯が20本以上の者に比べて0~4本の者は、医科医療費が1.4~1.6倍であることが分かります。
歯科受診を勧め、自身の歯を保存していくことで、脳血管障害、糖尿病、心不全などを未然に防ぎ、全体の医療費削減に貢献できます。
図1
QOL

入れ歯(義歯)は、食べる(咀嚼能力の回復)だけじゃない

今まで、入れ歯(義歯)は、歯の欠損部を補うことで、食べる(咀嚼能力)、見た目(審美面)を改善するために主に用いられてきました。近年の研究で、①誤嚥性肺炎予防・正常な嚥下反射の維持 ②転倒防止 ③認知症を防ぐ効果が注目させています。

①誤嚥性肺炎の予防・正常な嚥下反射の維持

肺炎は、日本人の死因の第3位です。肺炎の70%が誤嚥性肺炎です。
加齢や脳血管障害の影響により嚥下反射や咳反射が低下して
不顕性誤嚥を繰り返され、口腔内細菌などにより肺炎を引き起こします。
さらに嚥下反射の衰えは窒息の発生の原因である、
むせることにつながります。
誤嚥性肺炎の予防・正常な嚥下反射の維持
図②に示すように喉頭を持ち上げる筋肉(舌骨下筋群)は、主に舌骨につながっています。その舌骨は下顎骨と筋肉(舌骨上筋群)でつながっています。筋肉で引っ張るには支えがしっかりとしていなければなりません。つまり喉頭を引っ張る舌骨、さらに引っ張る下顎骨が固定されることで、喉頭を持ち上げる筋肉がしっかり収縮します。その下顎骨は上顎骨や頭蓋骨に固定されていますが、何で固定されているかというと、上下の歯ということになります。つまりは噛みあわせが重要となります。
誤嚥の原因のひとつに噛みあわせの不良があり、特に歯が無くなっている方は要注意です。その方はしっかりと合った義歯を作製し、噛みあわせをしっかり作ることが重要です。
図③で示すとおり、歯がしっかり残っている方、義歯を使用している方に比べ、歯がないにもかかわらず、義歯を使用してない方ほど誤嚥を起こすリスクが有意に高まるとされています。
図2
図3

②転倒の予防

下顎の位置は、頭の位置、さらに体のバランス機能に影響を与えることが指摘されています、歯が無い部分を放置し、義歯を使っていないと、下顎が不安定となり、体のバランス機能が影響を受けて転倒しやすくなる可能性があります。
図④に示すように、義歯を使用していない人は、2.5倍も転倒のリスクが高くなります。さらに、歯が19本以下でも義歯を入れることで、転倒のリスクを約半分に抑制できると言われています。図⑤に示すように、咬合崩壊者に対して義歯を装着して咬合を回復、義歯装着後1年間の転倒回数が減少しています。その結果、かみ合わせ(咬合支持)を維持・回復することが運動器の機能向上に寄与します。
過去1年間に転倒経験がない65歳以上の愛知県住民1763名を4年間追跡したコホート研究


過去1年間に転倒経験がない65歳以上の愛知県住民1763名を4年間追跡したコホート研究
(性、年齢、追跡期間中の要介護認定、教育歴等を調整済み)

Yamamoto,T.et al.:Association between self-reported dental health status and onset of dementia:Aichi Gerontological Evaluation Study project 4-year prospective cohort study of older Japanese.Psychosomatic Medicine, 74(3):241-248,2012
咬合崩壊群10名の義歯装着前後1年間の転倒回数


咬合崩壊群10名の義歯装着前後1年間の
転倒回数

Yoshida M,Morikawa H,Kanehisa
Y,Yan Z,Taji T,Akagawa Y.Relationship between dental occlusion and falls among the elderly with dementia.Prosthodont
ResPract2006;5:52-56.

③認知症の防止

歯の喪失および義歯の未使用によって咀嚼能力が低下し、咀嚼による脳(特に認知領域)への刺激が少なくなり、認知症になりやすくなります。歯がほとんど無く義歯を使わないと、生野菜などを避け、ビタミン不足を起こします。自然と糖質過多の食生活になり、認知症発症に影響を与えます。
認知症の防止
図⑥に示すように、歯がほとんど無くなっているのに義歯を使用していない人は、20本以上歯が残っている人の1.9倍も認知症発症のリスクが高くなります。一方、歯がほとんど無くなっていても、義歯を入れることにより認知症の発症リスクを4割抑制できます。歯を失う原因となる歯周病などの炎症が直接脳に影響を及ぼすこと,噛めなくなることによる咀嚼機能の低下が脳の認知機能の低下を招いていると示唆されます。

認知症の防止
認知症の認定を受けていない65歳以上の愛知県住民4,425名を4年間追跡したコホート研究

(年齢、所得、BMI、治療中疾患、飲酒等の有無を調整済み)
Yamamoto, T.et al.: Dental status and incident falls among older Japanese:a prospective cohort study.BMJ Open, 2:e 001262,2012
認知症の防止
●自分の歯を維持する
●歯を失った部分を、適切に処置を行う
●機能訓練を行いサルコペニアを防ぐ、

①噛める ②見栄え 
③誤嚥性肺炎を防ぐ・嚥下機能を維持する
④転倒防止 ⑤認知症を防ぐ
ことによる健康寿命を延ばす効果を示すデータがはっきりあります。
お口の機能を維持する事は、健康寿命を延ばすことに大きく関与します。
命の入り口である口腔機能の維持を意識して良き人生を歩んでまいりましょう。